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悲しみよ こんにちは/サガン

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これを19歳で書いてしまうのだから、作者は恐ろしい人だ
確かに17歳の主人公の若さが作品の中心にある。しかし作者が若ければ若さを鮮やかに描けるというわけでもないだろう
このタイトルから何を想像するだろうか?思わず慟哭するような、身を切るような痛烈な、痛みに似た悲しみを想像するかもしれない
実際には、この作品の「悲しみ」は、我々が普通に思い描く悲しみとは少し違うような気がする。もっと複雑で、多くのとらえ難い何かを含んだ感情

ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。その感情はあまりにも自分のことだけにかまけ、利己主義な感情であり、私はそれをほとんど恥じている。ところが、悲しみはいつも高尚なもののように思われていたのだから。(冒頭部分)

とにかく読後は、悲しみというよりは沈み込むような倦怠に襲われた。朝起きてこの本を読んでしまい、一日のやる気がなくなっていった。これが否定的な表現ではないことを、小説が好きな人なら分かってくれると思う
話の筋としてはシンプルなものだが、一つ一つの言葉が深いと思う。一言たりとも無駄のない、精緻に編まれた物語
訳が少々古い気がする。河出書房の池澤夏樹個人編集の世界文学全集に収められたものの、訳は変わっていない模様(未確認)

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