« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »

2008年11月

白鯨 /メルヴィル

★★☆☆☆

長かった。物語の部分だけ抄訳すればいいのに

蘊蓄が無駄に長い。これが楽しいって言う人もいるんだろうけど。個人的に鯨は魚だって断固言い張っているところがツボ

ストーリーが面白い、あるいは登場人物が魅力的かと言われると……どうなんだろう?ちょっと野蛮で男くさすぎる感じがして、あんまり好きじゃない

確かに鯨捕りのシーンは臨場感があって、特に最後のモビー・ディックとの対決なんて、結末知っててもワクワクした。だから読後感は達成感とも相俟ってよかった

でもやっぱり……つらかった。昔、文学の古典は1割の部分に楽しさの9割が詰まっているなんて言い方を聞いたことがあるけど、この作品はもっと割合が偏っているような気がしてならない

はっきり言って権威ある作品じゃなかったら途中で投げてた。発表当時評判悪かったっていうのもわかる気がする

まあ選んだ訳が古かったのも敗因の一つかもしれない。漢字難しくて読めないし。捕鯨船について挿絵つきで解説ページを添えてくれればわかりやすいのに

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ぼくたちには野菜が足りない1 /淺沼広太

Amazon

★★★☆☆

農業ネタという微妙なところをついてくるのもさることながら、何よりタイトルが秀逸だよね、やっぱり

中身はそんなに農業関係ない気もするけど。むしろ宇宙人もの

基本的に緊張感のない、ドタバタしすぎないコメディという感じか。文章がちょっとくどくて、最初は疲れた

| | コメント (0) | トラックバック (0)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ /田中ロミオ

Amazon

★★★★☆

最初は、学園ラブコメと言いつつファンタジーなんじゃないのかと思っていたが……

自分もそんなにひどくはない(と思う)けど、中学生の頃は自分がファンタジーの世界の住人で云々っていう設定考えて遊んだ気がしなくもない

多分そんな人はいっぱいいて、この話がなんとなく他人事と思えない人もいっぱいいるんじゃないかと

主人公が全然かっこよくないはずなのに、てかすごいイタいのに、不思議とかっこよく見えてしまうクライマックスがなかなか素敵

| | コメント (0) | トラックバック (0)

マーシェンカ /ナボコフ

Amazon

★★★☆☆

ナボコフの処女作だそうで
リアルな世界にほんのり幻想が侵入してくる、というのはもうこの作品から始まっているのですね
ちょっと人を食ったような、隣にいてほしくない感じの主人公像も
記憶の中にしかない、失われた初恋が、もう帰れない祖国を象徴している……と、ちょっと安易な気もするけれど、そういう話だと思う
亡命者の置かれている状況がそのまんまな感じで書かれているので、その意味でも興味深いかもしれない

| | コメント (0) | トラックバック (0)

僕がなめたいのは、君っ! /桜こう

Amazon

★★☆☆☆

ラノベには確かにとんでもないタイトルのものが多いが、これはその中でもかなり過激というか、際どい部類に入るかと思われる

本篇もそんな際どい言葉づかいが特徴で、そんなにエロいシーンがあるわけでもないのに(無くはないけど)、無駄にエロい感じがする

話としてはまあありきたりな感じもするけど、花をモチーフにしたファンタジー要素はなかなかユニークで面白いかも

ただキャラクターにしろ文章にしろ、そんなに質の高い作品とは思えないかなぁ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

偶然の音楽 /オースター

Amazon

★★★★☆

若干のネタバレを含みます

物語にありがちな予定調和を、ここまで見事に裏切ってくれる作品はなかなかないと思う。ラストがあまりにショックで、しばし呆然としてしまった

『ムーン・パレス』のエフィングは、存在しないはずの人間となったわけだが、彼の人生はどちらかといえば同情を誘いながらもどこか滑稽という印象を受けた。それは彼自身の振る舞いのためでもあると思う

しかしこの『偶然の音楽』に登場する虚構の存在はどこまでもグロテスクだ。それが権力を持っているがゆえになおさらそう思えるし、ラストの衝撃もそこから来るのではないかと思う

悲劇的な物語は普通、破滅していく登場人物の「滅びの美しさ」のようなものに感動して、いわゆるカタルシスを得るものだと思う。しかしこの物語は、そのような美化された悲劇としてシンプルに読めないのではないだろうか。それは主人公ナッシュを絡め取っていく虚構の存在が、悲劇をもたらすものとして相応しい美しさを到底兼ね備えていないからだと思う

| | コメント (0) | トラックバック (0)

幻想症候群 /西村悠

Amazon

★★★★☆

何気に新作の発表を待っていた人だったりする

どうしても避けられない喪失の痛みだとか、長い長い時間を一人過ごす気の遠くなる孤独だとか、そういったものが好きだから。そしてやっぱり期待は裏切られなかった

ただ、一つ本気のホラーが入ってたのが予想外だったけど

正直文章がうまいとは思わないし、話もなんか辻褄あってるのかよくわからないけど、まあ雰囲気の作家かなこの人は

一番思うところのあった話は、「夏休みの終わり」

人生つまらなくて、終わっても別にいっかなーって感じ、なんかわかるから

でもそれは死が身近にないから言えることであって

恋によって命が、世界が輝くというのは、ありきたりだけど、だからこそ真実なのかもしれないとか思ったり

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »