若きウェルテルの悩み/ゲーテ
昔一度読んだのをまた読み返してみた。昔はこれを読んで、自分も全精神をかけて恋をしたいと思ったものだ
なぜこの作品がこれほどに胸を打つのかわからない。無条件に好きだ。それゆえに感想を述べるのはかえって難しい
ただ、ヒロインのロッテはあまり好きではない。これまでの傾向から言って、自分は文学に登場ずる女性の母性とか敬虔さとかにあまり惹かれないタイプらしい
それに彼女が終盤で垣間見せる、ウェルテルを危険のない友人として縛りつけようとするしたたかさがどうしても憎く思えてしまう。読んでいてウェルテルに気持ちが寄りすぎることによる弊害かもしれない
自分が特に面白いと思うシーンは、ウェルテルとアルベルトが自殺について議論する場面。ウェルテルの「自殺は熱病」という主張が高校当時斬新だった
今でこそ「精神の病」という概念ができたが、この考えは当時としては、ましてキリスト教は自殺を禁じていたのだから、かなり革新的だったのではないか
そして第二巻で役所勤めに嫌気が差すウェルテル。社会の醜さに耐えられないという彼の訴えが、彼を我々にぐっと近づけるように思われる
それに対してアルベルトは地に足つけた実務的な人間。若い読者がウェルテルを自分に引き付けて考えるとき、アルベルトは父親に代表されるような「大人」としてあらわれるのではないだろうか。こんな話をすると、この小説がエディプスコンプレックスの話みたいになってしまうかもしれないが
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